ネットドリーマーズがオウンドメディアで連載マンガを企画した理由 ~競輪の面白さを初心者にも伝えたい~
株式会社ネットドリーマーズは、「netkeiba.com」という、月間ユーザー約1,700万人を誇る、日本最大級の競馬総合サイトを運営しています。
そんなネットドリーマーズが、競輪総合メディアも運営しているのをご存じでしょうか。その名も「netkeirin」。 開設は2020年12月と、まだまだ発展途上にあるサービスです。
netkeirinが大きなメディアに成長していくためには、既存の競輪ユーザーにとどまらず、競輪初心者の方にもアプローチする必要がありました。その手段の一つとしてたどり着いたのが、競輪好きのごくごく普通のサラリーマンを主役にしたマンガ制作です。
競輪を通じて仲間が増え、成長をしていくストーリー仕立てで展開する、非常に読み応えがある作品になっています。
2021年から1年間の連載を終えた今、『サラリーマン松田のささやかな幸福』の制作秘話を編集長の中原さん、編集の伊藤さんに伺いました。
―――ネットドリーマーズは「netkeirin」以外にも様々なメディアを運営されていますよね。
中原:
競馬や競輪好きの情熱をプロダクトに変えて、より多くの人達に届けたい。我々が事業を進める上で最も大事にしていることです。
自分の好きなことはより多くの人に届けたいって、誰しもが思いますよね。そんな思いが一つになり、世界が繋がっていけたらなと考えています。
競輪マンガ制作のきっかけ
―――マンガにした決め手は何だったのでしょう?
中原:
競輪という競技は言葉だけでは面白さがなかなか伝わりにくいところがあります。マンガにすることで、少しでも伝わりやすくなると考えました。
マンガの利点の1つにキャラクターを創作できることがあります。キャラクターを中心にストーリーを作れば、読み手にも伝わりやすくなりますよね。
同時にキャラクターがユーザーや読者に成り代わって物語を展開することで、自分ごととして捉えやすくなります。その結果、競輪への理解が深まるのが理想的だと考えました。
―――マンガにどのような期待を込めていましたか?
伊藤:
初心者の方にとって、競輪の魅力を知っていただく入り口の一つになって欲しいと考えていました。
キャラクターを通じて競輪の魅力を表現する
―――マンガで専門性を伝えるためにどのような工夫をされましたか。
伊藤:
競輪は専門用語がとても多いのが特徴です。
漫画のターゲットである競輪未経験者や初心者の方がわかるよう、難しい用語はなるべく使用したくないというこだわりがありました。
専門用語を使わないとどうしても文字量が増えてしまうため、LEGIKAやマンガ家さんにセリフを調整いただいたり、欄外に説明欄を設けていただいたりなど、原作側でも制作側でも様々な工夫をしました。
中原:
競輪や選手の哲学は実に奥が深いです。競輪の概念をいきなり説明されて、すぐ理解できる人はまずいません。
ただ、マンガのキャラを通すことでハードルが下がり、読者は自分と照らし合わせやすくなります。
マンガのキャラを通じて、競輪の哲学に少しでも触れて欲しかった。それがマンガを使って一番表現したかったことです。
オウンドメディアでのマンガ連載で表現したかったこと
―――単発ではなく連載とは思い切った決断ですよね。どのような意図があったのでしょうか?
中原:
1話完結だと読者は理解することに疲れますよね。知らない世界の話を1話で理解するのはとても難しいです。そのため、単発は初めから全く考えていませんでした。やるなら連載。サラリーマン松田の連載を通して、競輪を深く知ってほしいと考えていました。
楽しみ方は人それぞれで全然構わない。サイト訪問のきっかけに繋がることが狙いでした。
―――印象的な回があれば教えてください。
中原:
第10話です。「ガールズケイリン競輪の法則!」という、車券購入のメソッドを描いた回でした。
その他の回と比べてユーザーの反応がよく、漫画で解説する車券購入にはニーズがあるということが解りました。
サイト立ち上げ時は6~7万人ぐらいだったユーザー数も、1年後の昨年12月末時点で107万人に伸びました。
その中にはマンガを楽しみにしていただいたお客様も一定数います。
少しでも多くの方に競輪を知っていただくためにマンガを作成したわけですが、この施策をやって良かったと感じています。
―――驚きました! メディアが2020年公開なので、わずか1年で100万人超とは、とても早いスピードですね。
中原:
12月は競輪界のビッグレースであるグランプリの開催月でしたので、関心も高かったと思います。いずれにしても、たくさんの関係者の方、多くのユーザーの皆さまに支えられてきたお陰です。
―――伊藤さんに伺います。
―――メディア展開への思いを聞かせてください。
伊藤:
競輪の総合メディアとして、色々なコンテンツを考えていきたいです。
マンガは広く多くの方に受け入れられやすい見せ方だとよく分かりました。『サラリーマン松田のささやかな幸福』は全12話で完結しますが、今後セカンドシーズンがあるかもしれません。その時は新しいキャラクターの登場やリブランディングなどにも挑戦してみたいですね。
『サラリーマン松田のささやかな幸福』第1話からぜひご覧ください。