漫画家に頼むには? ビジネス漫画制作の依頼パターンを解説
2024.07.15
企業や団体が、漫画家にビジネス漫画制作を依頼したい場合、いくつかの方法が考えられます。パターン別にどのような特徴があるかを解説します。
Contents
漫画家にダイレクトに漫画制作の依頼をする
X(旧Twitter)やpixivなどのSNS・コミュニケーションサイトを通じて個人の漫画家を見つけ、直接アプローチをし、制作を依頼するケースです。
メリット
- 中間手数料を取られず、コストを抑えて発注をすることができる
- 好きな絵柄の作家などを自由に探すことができる
デメリット
- 漫画家を探すのに時間と労力を要する
- ボリュームのある漫画作品をつくる技量があるかが判別しづらい
- 漫画家のスケジュールが空いているか確認が難しい
- 漫画家側がビジネス分野に精通していない場合、内容説明に時間を要する可能性がある
- 発注元企業に漫画制作の知見がない場合、品質管理、納期管理、契約対応等で適正なコミュニケーションが難しい
- 編集スタッフを介さないので、完成イメージのミスマッチやミスコミュニケーションが起こりやすい
- 納期トラブルが生じやすい
- 有名作家の場合、直接の依頼を受けてくれないケースが多い
クラウドソーシングサイトで制作依頼をする
ランサーズやクラウドワークス、ココナラなどのクラウドソーシングサイトを通じて、漫画家を見つけ、サイト経由で漫画制作を依頼するケースです。
メリット
- コストを比較的抑えて発注することができる
- サイトの機能を通じて人気の有無を確認できる
- イラスト一枚のような工数の小さめな単発業務を依頼しやすい
デメリット
- クラウドソーイングサイトに登録していない漫画家が多く、選択肢が限られる(レジカスタジオと比較した場合、登録者数は数分の一程度になります)
- 数ページを要する大きなボリュームの制作業務を依頼しづらい
- 印刷やWEB掲載などの最終化作業は、自力で行うか改めて事業者を選定する必要がある
- サイト側は取引で生じたトラブルに介入しないポリシーのため、トラブルのリスクがある
漫画制作が専業の会社に依頼をする
ビジネス漫画制作を手がける専門事業者に依頼をするケースです。テレビCMに使うなどの予算規模の大きなものでなければ、最も一般的な取引形態と言えます。
メリット
- 複数の作家と契約しているため、希望する絵柄・作風・納期・予算で依頼をかけやすい
- 実力派作家であっても、スケジュールの合間に依頼ができる可能性がある
- ビジネスマンガに適した絵柄・作風の作家が多く所属している
- 企業側との取引経験が豊富なため、依頼主側で漫画の発注経験がなかったとしても、円滑に取引がスタートできる
- 当初想定していた制作イメージよりも、よい企画に変える提案をもらいやすい
- 漫画制作事業者側で作家の能力を把握しており、専門的知見に基づく進行管理もお願いできるため、トラブル等が生じにくい
- 付き合いのある取引事業者がいるため、WEB媒体(漫画LP)、製本物、パンフレット、のぼり、動画化など多様な出口に対応できる
デメリット
- 空きスケジュールや予算額等の兼ね合いから、サイトのポートフォリオ情報に掲載されている作家に依頼できるとは限らない
- A4一枚分のような小ロットの依頼には対応していない場合がある
- 商業誌の掲載作品のような作風の作家や、イラストレーターのような画風の作家とは出会いづらい場合がある
- 直接取引よりは必要コストが割り増しになる
- 大規模プロモーションに発展させる場合には限界がある
- 事業者によって登録者数がマチマチで、中には運営者兼作家が一名のみケースもある
広告代理店に制作依頼をする
様々な広告商材を取り扱う広告代理店に依頼をするケースです。一括して大量のプロモーションを行う大企業においては、代理店経由で漫画制作の発注をした方がスムーズというケースも見られます。
メリット
- テレビCM、新聞・雑誌広告、イベントプロモーションなどと一貫性をもった広告宣伝がしやすい
- 既存の広告代理店のアカウントがある場合、スムーズに依頼しやすい
- プロモーション戦略に精通しており、より高いビジネス的な付加価値を模索してくれる(例:インバウンド向けに漫画と組み合わせた商品・サービスの展開)
- キャラクタービジネスとして展開したい場合など、中長期的な取り組みもサポートできる場合がある
デメリット
- 必要予算が高額なものとなる
- 漫画制作ビジネスに習熟している代理店スタッフが多くないため、アカウント担当とクリエイティブについてのコミュニケーションが難しい場合がある
- 制作委託のプロセスが複雑化することで、納期が長めとなる可能性がある
- 漫画制作分野については、漫画制作事業者に委ねる領域が大きいため、責任の所在について懸念が生じる場合がある
これらの優劣の比較を参考に、漫画制作の依頼方法をご検討ください。